売上1000万分社化スキームには意味があるのか?
売上1000万以下になれば消費税免税事業者ということで、消費税を納める必要が無くなりますが、分社化までして行う意味はあるのでしょうか?
売上5000万弱の簡易課税事業者を売上1000万以下の消費税免税事業者5つに分けた際のケースを考えたいと思います。
まず、消費税の納める金額ですが、事業内容によるみなし仕入れ率によりけりですが、仮に簡易課税事業者の消費税金額が150万だった場合、消費税免税事業者成りすることで、その150万円が0円になります。すなわち1社あたりの節税金額は30万円です。
30万円節税するために新設法人を作る必要があるのか?という議論になりますが、法人設立費用に15万程度かかり、かつ決算などの維持費用に最低年間15万程度はかかることを考えても、消費税節税という観点ではあまり意味がないでしょう。
ただ、それぞれの法人でセーフティ共済で年間240万の利益繰り延べが出来ること、接待交際費などの枠が会社分増えること、売上が分散されるので利益も1/5となり法人税率が下がる可能性が高いこと、、など別の節税枠が増えるので、そういう点では意味が出てくる人がいるかもしれないです。
仮にセーフティ共済で240万円経費計上出来れば、1000万以下の実効税率はざっくり25%程度なので、年間60万円の節税になります。また所得5000万の実効税率が35%弱なので、最高で差額の10%分が節税となります。ただ利益率100%はありえないので、仮に利益率20%で2000万上がっていたとしたら、分社化することで2000万の法人税実効税率32%−1000万以下の実効税率25%=7%の節税になります。結局、5社で140万円、1社あたり28万の節税となり、28万の節税のために新設会社を一つ設立するのかどうか、という議論になります。
以下の法人税実効税率グラフを見てもらうと分かりやすいですが、カーブの勾配がきついのは800万円以上になりますので、1社あたりの所得を800万以下にするために分社化するという発想はありのような気はします。