カンボジア不動産投資は儲かるのか?

ドル建てかつ比較的利回りが出る海外不動産投資ということで、カンボジア不動産投資がここ数年流行っていますが、実際に収益性はどれくらいか検証したいと思います。
ひと昔前だと、10%超えも珍しくなかったですが、最近は6%程度のものまでありますが、今回の前提条件は、個人で購入し、利回り10%かつ満室状態で5年後の長期譲渡所得になって以降に売却、というシナリオで考えてみます。
利回り10%かつ5年間満室が続くというのが現実的ではないと思われますが、計算をシンプルにするために、その前提で計算してみました。
結局、リターンに大きな影響を与えるのが出口の際の売却価格と考えた場合、売却価格=物件価格×ドル円相場 になりますので、縦軸に物件価格の変化率、横軸にドル円のレートを置いて、IRRの推移を計算したのが以下の表になります。
90.00 | 100.00 | 110.00 | 120.00 | 130.00 | |
-5.11% | -1.81% | 1.88% | 4.96% | 5.35% | -30% |
-0.30% | 2.23% | 4.92% | 7.03% | 7.16% | -20% |
1.09% | 3.71% | 6.51% | 8.68% | 8.66% | -10% |
5.09% | 6.51% | 7.97% | 8.96% | 9.90% | 0% |
6.37% | 6.70% | 9.07% | 10.95% | 10.09% | 10% |
7.57% | 7.65% | 10.10% | 12.05% | 11.17% | 20% |
8.56% | 8.56% | 11.09% | 13.10% | 12.19% | 30% |
ここからは完全に個人の相場観になりますが、
ドル円はおそらく90〜120円のレンジのどこかにある可能性
そして不動産価格は、-20%〜10%のどこかに収まる可能性
が高いと考えた場合、IRRは-0.3%〜10.95%となります。
今回のIRRは途中のキャッシュフローも全てドル円110で計算しているので、もし途中で円高に振れてしまった場合は、IRRは下がります。
そう考えた場合、今後は明確にドル安になる、という確信がない限りは、決して妙味のあるトレードにはならない、と思います。
すなわち、カンボジアに限らず、海外不動産投資は入るタイミングが重要で、そのタイミングというのは円高局面、という結論になります。