今日は、築古不動産を建て替えして売却した場合のリターンを検証したいと思います。今回は、法人保有を前提としています。自己資金は1割投下です。
シナリオとしては、解体費など全てコミコミで
①利回り10%で建てて、8%で売却した場合、
②利回り10%で建てて、利回り10%で売却した場合、
を20年間分のIRR、及びNPVを見てみたいと思います。
まずIRRは以下の通りになります。青が①シナリオ、赤が②になります。
10%で作って、8%で売るわけなので、1〜3年目はそのキャピタルゲインのインパクトが非常に大きいですが、以降は累積されたキャリーにより相対的に薄まっていき、7〜8年もすれば、どちらのシナリオで売っても、IRR90%強とほぼ変わらなくなります。
すなわち、長期で持つことで、キャリーが出ている限り、全体に与える売却価格の影響はドンドン微減になる、ということです。
次にNPVをみてみます。
こちらからも、どちらもキャリーが出続ける限りは持ち続けていけば、リターンが上がり続け、累積キャッシュフローの影響で、キャピタルゲインの差額は時間が経つにつれて薄まっていく、ということが分かります。
即ち、短期的には高く売ることが極めて重要であるが、中長期的には、キャリーの総計が重要、ということになります。
業者のように短期で売買するのであれば、キャピタルゲインを気にする必要があり、それは相場動向に左右されることになりますが、中長期で持つのであれば、よりキャリー部分、即ち事業運営によるキャッシュフロー創出にのみ、専念すればいいことになります。
結論としては、
短期的な転売目的、あるいは中長期的に安定したキャッシュフローが期待できるのであれば、建て替えシナリオも選択肢となり、短期売買の場合は、いかに利回りを高く(値段を安く)作るかが重要で、中長期的保有の場合は、高い利回りをやみくもに目指すよりは、安定した中長期キャッシュフローを幾ら創出できるかが重要
となります。
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