全損保険退職金スキームの実質リターンは?

全損保険の出口戦略として、退職金を使う場合、返戻率が高く、ピークになるものが5年以降でなるべく早めになるものにしないと、税引後IRRでマイナスになってしまい、結局やらないほうがマシだった、という結論になりかねません。
独自に市場にある全損保険を退職金で受け取る場合の税引後IRRを計算したところ、プラスになるのは市場にある案件の1割以下です。またその税引後リターンも1〜2%程度です。
逆に言うと9割以上の商品では、退職金スキームは使えないので、結局償却商品で先送りをするか、赤字の年に解約してぶつけるくらいしか使い道はありません。
赤字が見込みづらい事業の場合は、退職金スキームくらいしか出口戦略がなく、そうすると税引後リターンが1〜2%なのであれば、敢えて流動性の低い保険で資金を固定するのではなく、株のインデックスを長期保有で買ったほうがマシかと思われます。
もちろん全損保険の場合は、購入時にほぼリターンが確定出来、株式の場合は価格変動リスクを取ること、金融機関からの評価でいうと保険の方が概して高いこと等、商品性が違うので、資産分散の意味で組み入れるのは、無きにしもあらずです。